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米国株の配当貴族指数とは?銘柄リスト&過去12年リターンを詳しく解説

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複利ふくりのチカラでおくびと』の“ひろめ”(@hiromethods)です。

配当貴族指数には、様々な決まりごとがあるのをご存知でしょうか?

このページでは配当貴族の構成銘柄から細かいルールまでを幅広く紹介していきます。

この記事を書いた人
ひろめ

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ひろめ

プロフィール

著書:バリュー投資家のための「米国株」データ分析/「本当の意味で読者のためになる情報を届ける」をモットーに、2016年4月から本ブログを書いています。⇒ 運営者情報プロフィール

配当貴族指数とは?

配当貴族指数はS&Pグローバル(SPGI)社が算出している株価指数のことです。正式名称は「S&P500配当貴族指数(Dividend Aristocrats)」といいます。

基本情報

加重方法均等加重平均
リバランスの頻度1月/4月/7月/10月
算出開始日2005年5月2日

配当貴族指数には、次のような条件を満たした銘柄だけが指数に組み込まれます。

配当貴族の条件
  • S&P500の構成銘柄
  • 時価総額30億ドル以上
  • 1日平均取引額が500万ドル以上
  • 25年以上連続で増配を継続している銘柄

25年以上の連続増配は、配当権利落ち日(Ex-Date)を基準にした暦年(Calendar Year)の年間配当額が前年より増えているかどうかで判断されます。会計年度ベースの年間配当が増配されているかどうかは一切問いません。

配当貴族指数に採用された銘柄の年間配当が前年以下になったときは指数から除外されます。除外タイミングは四半期ごとのリバランス時に除外されることもあれば、毎年1月の構成銘柄入れ替えで除外されることもあります。

暦年を基準にした年間配当イメージ
暦年(CY)を基準にした年間配当のイメージ

配当貴族指数では、上記のように会計年度と暦年にズレがある銘柄は、暦年の年間配当を基準に増配記録をカウントします。年間配当には定期配当のみが含まれ、特別配当などのイレギュラーな配当は除外されます。

実際に具体例を出して説明しましょう。配当貴族指数の構成銘柄であるカーディナルヘルス(CAH)の会計年度は、7月スタート6月締めとなっていて暦年とズレがあります。

カーディナルヘルス(CAH)会計年度の配当履歴

会計年度1Q
(7-9月)
2Q
(10-12月)
3Q
(1-3月)
4Q
(4-6月)
年間配当
1994年$0.0047$0.0057$0.0057$0.0071$0.0232
1995年$0.0089$0.0089$0.0089$0.0089$0.0356
1996年$0.0089$0.0089$0.0089$0.0089$0.0356
1997年$0.0089$0.0111$0.0111$0.0111$0.0422

上記は配当権利落ち日を基準にした会計年度の増配履歴です。1995年と1996年の年間配当が同額で増配がありません。すなわち、増配記録が途切れています。

増配開始年は1997年となり、 25年以上連続増配の条件を満たさないことになります。

カーディナルヘルス(CAH)暦年の配当履歴

暦年1Q
(1-3月)
2Q
(4-6月)
3Q
(7-9月)
4Q
(10-12月)
年間配当
1993年$0.0047$0.0047$0.0047$0.0057$0.0198
1994年$0.0071$0.0089$0.0089$0.0089$0.0338
1995年$0.0089$0.0089$0.0089$0.0089$0.0356
1996年$0.0089$0.0089$0.0089$0.0111$0.0378

一方、配当権利落ち日を基準にした暦年の年間配当では1994年が0.0338ドル、1995年が0.0356ドル、1996年が0.0378ドルとなっていて毎年キッチリ増配されています。

結果として増配開始年が1985年となるため、25年以上連続増配の条件を満たすことになります。つまり、配当貴族指数が採用している増配基準が「配当権利落ち日×暦年」だからこそ、カーディナルヘルス(CAH)は指数構成銘柄になれているわけです。

ちなみに、配当貴族指数と配当チャンピオンでカーディナルヘルス(CAH)の連続増配年数が異なるのは、増配基準日に違いがあるためです。

増配基準日
  • 配当貴族指数:配当権利落ち日
  • 配当チャンピオン:配当支払い日

スピンオフや株式分割された銘柄の扱い

2013年1月1日以降にスピンオフされた銘柄は、スピンオフ前の増配実績がスピンオフ後も割り当てられます。また、スピンオフや株式分割により1株配当が減少しても、分割割合を考慮した配当金が減配していなければ増配実績はそのまま引き継がれます。

スピンオフのルールが適用されて連続増配年数が繰り越された銘柄に、アッヴィ(ABBV)とアボット・ラボラトリーズ(ABT)があります。スピンオフ時期はちょうど2013年でした。

ちなみに、スピンオフした連続増配銘柄にはフィリップモリス(PM)とアルトリアグループ(MO)もありますが、こちらはスピンオフ時期が2008年だったため増配実績が繰り越されませんでした。そのため、25年連続増配の条件を満たしていない扱いになってます。

銘柄分散の基準

配当貴族指数の構成銘柄数は、最低40銘柄と決められています。もし毎年1月に実施する年次見直しのタイミングで配当貴族の条件を満たす銘柄が40未満になったときは、20年以上連続で増配を継続している銘柄に範囲を拡大することができます。

範囲を拡大したときは、指数構成銘柄が40に達するまで配当利回りの高い順に新規銘柄が組み込まれます。

連続増配年数以外の条件は引き続き残るので、これら条件を満たした銘柄の中から配当利回りが高い順に選択されることになります。

指数構成銘柄が40未満のとき
  • S&P500の構成銘柄
  • 時価総額30億ドル以上
  • 1日平均取引額が500万ドル以上
  • 20年以上連続で増配を継続している

上記条件に拡大しても40銘柄に届かない場合は、連続増配年数を除いた3条件を満たす銘柄のなかから配当利回りが高い順に銘柄分散の基準を満たすまで新規銘柄が組み込まれることになっています。

セクター分散の基準

配当貴族指数にはセクター分散の基準があり、1セクター30%以上になってはならないと決められています。なお、セクター分類は世界産業分類基準(GICS)に従うことになっていて、全11セクターに分類されます。

世界産業分類基準のセクター分類

セクター英語表記
エネルギーEnergy
素材Materials
資本財Industrials
一般消費財Consumer Discretionary
生活必需品Consumer Staples
ヘルスケアHealth Care
金融Financials
情報技術Information Technology
コミュニケーションCommunication Services
公益Utilities
不動産Real Estate

もし毎年1月の年次見直しの際に1セクターの割合が30%以上になったときは、20年以上連続で増配を継続している銘柄に範囲を拡大することができます。 範囲を拡大したときは、1セクターの割合が30%未満になるまで配当利回りの高い順に新規銘柄が組み込まれます。

1セクター30%以上のとき
  • S&P500の構成銘柄
  • 時価総額30億ドル以上
  • 1日平均取引額が500万ドル以上
  • 20年以上連続で増配を継続している

上記条件に拡大しても1セクターの割合が30%以上になるときは、連続増配年数を除いた3条件を満たす銘柄の中から配当利回りが高い順にセクター分散の基準を満たすまで新規銘柄が組み込まれます。

リバランスは年4回

構成銘柄のリバランスは、1月/4月/7月/10月の最終取引日取引終了後に実施することが決められています。3カ月おき年4回の頻度ですね。

指数構成銘柄数をNとすると、各銘柄の割合が1/Nとなるように均等分散されます。リバランスを行う際に基準となる株価は、最終取引日から5取引日前の終値になります。

配当貴族指数のリバランス
  • 実施日:1月/4月/7月/10月の最終取引日
  • 基準株価:リバランス実施日から5取引日前の終値

リバランス実施月の最終取引日から5取引日前の終値によって銘柄ごとの指数組入株式数が決定したあと、最終取引日の取引終了後にリバランスが行われるという流れです。

配当貴族指数の銘柄リスト

2020年11月30日時点の配当貴族指数は65銘柄で構成されています。構成銘柄の割合は時価総額に関係なく、すべて均等に調整する方式が採用されています。

ティッカー企業名セクター
ABBVアッヴィヘルスケア
ABTアボット・ラボラトリーズヘルスケア
ADMアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド生活必需品
ADPオートマティック・データ・プロセッシング情報技術
AFLアフラック金融
ALBアルベマール素材
AMCRアムコア素材
AOSAOスミス資本財
APDエアープロダクツ・アンド・ケミカルズ素材
ATOアトモス・エナジー公益
BDXベクトン・ディッキンソンヘルスケア
BENフランクリン・ リソーシズ金融
BF-Bブラウンファーマン生活必需品
CAHカーディナルヘルスヘルスケア
CARRキヤリア・グローバル資本財
CATキャタピラー資本財
CBチャブ金融
CINFシンシナティ・ファイナンシャル金融
CLコルゲート・パルモリーブ生活必需品
CLXクロロックス生活必需品
CTASシンタス資本財
CVXシェブロンエネルギー
DOVドーバー資本財
ECLエコラボ素材
EDコンソリデーテッド・エジソン公益
EMRエマソンエレクトリック資本財
ESSエセックス・プロパティー・トラスト不動産
EXPDエクスペディターズ・インターナショナル・オブ・ワシントン資本財
FRTフェデラル・リアルティ・インベストメント・トラスト不動産
GDゼネラル・ダイナミクス資本財
GPCジェニュインパーツ一般消費財
GWWW.W.グレインジャー資本財
HRLホーメルフーズ生活必需品
ITWイリノイ・ツール・ワークス資本財
JNJジョンソン・エンド・ジョンソンヘルスケア
KMBキンバリー・クラーク生活必需品
KOコカ・コーラ生活必需品
LEGレゲット・アンド・プラット一般消費財
LINリンデ素材
LOWロウズ一般消費財
MCDマクドナルド一般消費財
MDTメドトロニックヘルスケア
MKCマコーミック生活必需品
MMMスリーエム資本財
NUEニューコア素材
Oリアルティ・インカム不動産
OTISオーチス・ワールドワイド資本財
PBCTピープルズ・ユナイテッド・ファイナンシャル金融
PEPペプシコ生活必需品
PGプロクター・アンド・ギャンブル生活必需品
PNRペンテア資本財
PPGPPGインダストリーズ素材
ROPローパー・テクノロジーズ資本財
RTXレイセオン・テクノロジーズ資本財
SHWシャーウィン・ ウィリアムズ素材
SPGIS&Pグローバル金融
SWKスタンレー・ブラック・アンド・デッカー資本財
SYYシスコ生活必需品
TAT&Tコミュニケーション
TGTターゲット一般消費財
TROWTロウ・プライス・グループ金融
VFCVFコーポレーション一般消費財
WBAウォルグリーン・ブーツ・アライアンス生活必需品
WMTウォルマート生活必需品
XOMエクソンモービルエネルギー

配当貴族指数のセクター分布

セクター銘柄数割合
エネルギー23.1%
素材812.3%
資本財1523.1%
一般消費財69.2%
生活必需品1421.5%
ヘルスケア69.2%
金融710.8%
情報技術11.5%
コミュニケーション11.5%
公益23.1%
不動産34.6%
合計65100%
配当貴族セクター分布|Dividend Aristocrats sector
配当貴族指数のセクター分布

セクター分布に偏りはあるものの、全11セクターが満遍なく含まれています。1番ウェイトが高のが生活必需品セクター、次に資本財セクターが続きます。

https://hiromethod.com/wp-content/uploads/2019/11/ee6e4a978673629da98f39cb83b67429-1.jpg配当きぞくん

1セクター30%を超えないようにコントロールされているのじゃ。

配当貴族指数は市場平均を上回る

長期リターン比較

下記のグラフは、配当貴族指数とS&P500指数の株価上昇率を比較したものです。配当貴族指数は「SPDAUDP」、S&P500指数は「^GSPC」の株価データを使っています。

配当貴族指数 vs S&P500指数

2008年1月2日の終値を100%にあわせて、2019年末までの株価上昇率をグラフにしました。配当(分配)金を含まない純粋な株価どうしの比較です。

グラフを見てもらうと分かるとおり、配当貴族指数がS&P500指数のリターンを上回っています。2008年~2019年の12年間で配当貴族指数は約2.88倍、S&P500指数は約2.23倍という結果になりました。

1年ごとの年次リターン比較

続いて、1年ごとのリターンを年初(終値)と年末(終値)で比較します。配当金(分配金)を含まない株価上昇率になります。

年次リターン(過去12年分)

期間配当貴族S&P500リターン差
2008年-22.96%-37.58%+14.63%
2009年19.16%19.67%-0.51%
2010年14.61%11.00%+3.61%
2011年4.71%-1.12%+5.84%
2012年12.71%11.68%+1.03%
2013年26.41%26.39%+0.02%
2014年14.11%12.39%+1.73%
2015年-1.41%-0.69%-0.72%
2016年10.73%11.24%-0.50%
2017年18.11%18.42%-0.30%
2018年-5.31%-7.01%+1.70%
2019年25.59%28.87-3.12%
平均9.71%7.76%+1.95%

過去12年の年次リターンでも配当貴族指数がS&P500指数を年平均1.95%アウトパフォームしています。特に2008年の年次リターン差14.63%が目を引きますね。配当貴族の不況に強い特徴が見て取れます。

年次リターンの勝率も約58.3%(7勝5敗)で配当貴族指数が勝ち越しています。

年率平均+1.95%というのは、小さいようで実は大きな差になります。なぜなら、毎年複利でこの差が開くことになるからです。

長期になればなるほど差をつけるペースが広がるため、最終的なリターンで見ると大きな違いになります。

12年平均した年次リターンで+1.95%の差がついていることから、配当貴族指数がS&P500指数を上回るのは必然の結果であると考えるのが自然ですね。

https://hiromethod.com/wp-content/uploads/2019/11/ee6e4a978673629da98f39cb83b67429-1.jpg配当きぞくん

連続増配銘柄は強いのじゃ

25年以上連続増配銘柄は配当貴族以外にも配当チャンピオンがあります。配当チャンピオンは25年連続増配以外の条件がないこともあって、130銘柄以上も存在します。配当貴族指数の2倍以上ですね。

ちなみに、S&P500指数を長期的にアウトパフォームしてきた連続増配銘柄は、ほかにもあります。

下記のリンク先では配当貴族の仲間である配当王、配当公爵がS&P500指数を過去にどれくらいアウトパフォームしてきたかチェックできます。

リンク 配当王とは?銘柄リスト&市場平均との25年リターン比較を紹介

リンク 配当侯爵とは?25年以上連続で毎年必ず増配してきた米国優良株

リンク 配当貴族 vs 配当王 vs 配当侯爵|連続増配銘柄の長期リターンを比較してみた

連続増配の知識

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このページは拙著『バリュー投資家のための「米国株」データ分析』をブログ用に編集・追記したものです。技術評論社のご厚意で書籍の内容を一部公開しています。書籍を購入すると特典ファイルのダウンロードができます。