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【IBM】アイ・ビー・エムは23年連続増配中の米国AI銘柄

IBMは100年以上の歴史を誇るIT企業

IBMはインターナショナル・ビジネス・マシーンの略で、1911年に設立したIT企業です。設立当初の社名はIBMではなく、ザ・コンピューティング・タビュレーティング・レコーディング・カンパニー (CTR : The Computing-Tabulating-Recording Company)でした。

 

IBMの前身であるCTRは、3つの企業を合弁させて発足した会社です。

  • ザ・タビュレーティング・マシーン・カンパニー(1896年設立)
  • ザ・インターナショナル・タイム・レコーディング・カンパニー・オブ・ニューヨーク(1900年設立)
  • コンピューティング・スケール・カンパニー・オブ・アメリカ(1901年設立)

つまり、IBMのもとを辿れば上記3社に行き着くことになります。

CTRからIBMに社名変更したのは1924年のときです。カナダ市場に参入した1917年にIBMの社名がはじめて使われ、その7年後に本社の社名がIBMになりました。

 

 1911年の設立当初、CTRはタイム・レコーダーや計量器、パンチ・カード式会計機などを製造する小さな会社でした。それから100年のときを経て、人工知能「ワトソン」で有名なグローバルIT企業に成長しました。

 

人工知能「ワトソン」の名前の由来にもなっているトーマス・J・ワトソンは、IBMの社名になった1924年の初代社長です。のちにIBMの代表的なフレーズとなる「THINK(考えよ)」という言葉を考えたのもトーマス・J・ワトソンでした。

 

そんなトーマス・J・ワトソンの信条を受け継いだIBMの企業理念は以下の3つになります。

  1. お客様の成功に全力を尽くす
  2. 私たち、そして世界に価値あるイノベーション
  3. あらゆる関係における信頼と一人ひとりの責任

この理念は2003年に新しい価値観として従業員に発表されました。IBMはこれまで様々な変化に対応してきましたが、軸となる価値観、在り方は本質的に変わることはありません。今後もビジネスモデルは変化し続けていきますが、本質的な軸が一本通っているからこそ、世界的グローバルIT企業として存続し続けることができるのだと思います。

 

【IBM】アイ・ビー・エムの地域別売上高と部門別売上高

米国企業ということでアメリカ州の売上が50%近くを占めています。ちなみに、アメリカ州とはアメリカを含む南北アメリカ大陸の国々を指します。アジア、ヨーロッパと同じようなスケール表記ですね。

 

部門別売上高は、クラウドが全体の44%を占めていてトップです。次に、コグニティブソリューション(認知解決)が続きます。人工知能(AI)「ワトソン」の売上は、コグニティブソリューションに含まれます。

 

今後はクラウドや人工知能の売上がさらに伸びていくことが予想されます。そのため、技術サービス&クラウド部門、コグニティブソリューション部門の割合がますます大きくなっていくと思います。時代の流れっていうやつですね。

 

売上高は2011年をピークに6年連続で減少し続けています。2011年と2017年の売上高を比較すると、25%も減少しています。

 

売上高が6年連続で下がり続けている理由は、大幅なビジネスモデルの転換を実施したためです。IBMは時代の変化に対応するため、今後の市場拡大が見込めるクラウドやAI(人工知能)にシフトチェンジする大胆な経営方針を打ち出しました。

 

その結果、大部分の割合を占めていた既存事業の売上減少が長引き、5年6ヶ月(22四半期)連続で前年同期比の売上が減少しました。

 

しかし、その代わりクラウドやAIワトソンを含む戦略的必須分野の売上が毎年10%前後も成長しています。これまでは既存事業のマイナス分と新規事業のプラス分を合計してもマイナスの状況が続いてましたが、新規事業である戦略的必須分野の成長が今後も続くことが見込まれるため既存事業の売上をカバーして売上高全体が上昇に転じるのは時間の問題だという見方もあります。

 

   

【IBM】アイ・ビー・エムの1株利益(EPS)と配当性向、増配率

2008年~2017年のEPS(1株あたりの利益)と配当性向は、以下のようになっています。

青色の1株利益(EPS)は2014年をピークに下がっています。しかし、クラウドやAI「ワトソン」の成長が今後も長期的に続く見込みであることから、近いうちに上昇に転じる可能性も十分あります。2017年のEPSが大幅に減少しているのは、税制改革による影響で一時的なものです。

 

オレンジ色の配当に関しては、業績が下がり続けている時期も毎年確実に増配し続けています。23年連続増配中ということで、このままいけば2020年4月に配当貴族の仲間入りとなります。

 

業績が右肩下がりでも配当性向には余裕があります。2017年は税制改革の影響で配当性向が96%まで上がっていますが、これは一時的なものです。今後も株主のために増配を続けることは十分可能です。

過去10年の増配率は非常に高いです。ここ数年は年0.4ドルの増配ペースを維持してきましたが、2018年にその規則性が崩れています。業績の低迷が続いていることで経営陣も思い切った増配が実施できなくなりつつあります。

 

・四半期ごとの配当金

上記の配当金は1年分の合計額でしたので四半期配当の増配履歴も載せておきます。増配は毎年4月下旬に発表されます。

 

長期格付けは、S&PがA+(上から5番目)、ムーディーズがA1(上から5番目)、フィッチレーティングがA+(上から5番目)となっています。

格付け会社格付け
S&PA+(上から5番目)
ムーディーズA1(上から5番目)
フィッチレーティングA+(上から5番目)

 

【IBM】アイ・ビー・エムの純利益率(Net income margin)推移

2008年から2017年の純利益率(Net income margin)は以下のように推移しています。

純利益率は比較的高めです。大体15%前後で安定しており効率よく稼げています。クラウドやAI分野にはアルファベット(GOOGL)やアマゾン(AMZN)などの非常に強力な競合がひしめいているため、今後数年で利益率が少し下がるのではないかという見方もありますが、そこまで心配する必要はないと思います。

 

   

【IBM】アイ・ビー・エムのフリーキャッシュフロー

2008年から2017年のフリーキャッシュフローは以下のように推移しています。

2012年のピークを境に減少傾向が続いていましたが、2017年は盛り返しました。戦略的必須分野の売上が伸びれば自然と回復します。

 

【IBM】アイ・ビー・エムの発行済株式数と自社株買い

2008年から2017年の発行済株式数と自社株買いの割合は以下の通りです。

業績が落ちはじめた2011年以降も自社株買いを毎年実施してきました。2014年に至っては8.4%も発行済株式数が減っています。ここまで自社株買いを毎年続ける企業は多くありません。このグラフを見れば、IBMが自社株買いに積極的な企業であることが一目瞭然で分かりますね。

 

【IBM】アイ・ビー・エムの株価チャート分析

2001年1月~2017年12月までの長期チャートです。

株価130ドルと175ドルに水色の点線を入れました。はっきりとした明確なラインは引きづらいチャートですが、下は120ドル~130ドル、上は170ドル~180ドルあたりで過去に何度も反発してきました。

 

買いタイミングとしては早くて130ドル、慎重にいくなら115~120ドルが目安だと考えています。あのウォーレン・バフェットが売るくらいですから、業績が急によくなるということは考えにくいです。したがって、130ドルのサポートラインあたりまで株価が落ちてくることも十分あり得るのではないでしょうか。

関連 【IBM】アイ・ビー・エムの株価はどこまで落ちるのか?現実的な底値を考えてみた

 

1株配当6.28ドル/年
配当性向96%(実質50%前後)
連続増配年数23年
増配発表月毎年4月下旬
配当支払い月3月/6月/9月/12月

 

【IBM】アイ・ビー・エムの銘柄分析まとめ

アイ・ビー・エム(IBM)は、23年連続で増配を続けている銘柄です。配当性向に余裕があるため、今後も長期的な増配が期待できます。自社株買いと増配を積極的に実施することから株主還元に積極的なグローバルIT企業と言えます。

 

ビジネスモデルの転換により業績は右肩下がりであるものの、復活の兆しが見え始めています。グーグル、アマゾン、マイクロソフトといった非常に手ごわい競合がひしめく業界でIBMは苦戦を強いられています。しかし、クラウドや人工知能(AI)の市場規模は今後も確実に拡大していくことは確かです。競合に勝てなかったとしても急速に拡大する市場規模の恩恵を受けて、業績は緩やかに伸びていくと考えるのが自然だと思います。

 

リーマンショックのときにアイ・ビー・エム(IBM)の株価がどのくらい暴落したのかを調べると意外に大したことありません。法人向けに事業展開しているだけあっては、景気に左右されにくいディフェンシブな銘柄だということが分かります。