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【米国株に出てくるEPSの種類を解説】GAAPとnon-GAAP/BasicとDilutedの違いとは?

1株あたり利益|EPSの種類

EPSは「Earnings Per Share」の略で、1株あたり利益を意味します。米国株のEPSにはいくつかの種類があって、GAAPまたはnon-GAAP/BasicまたはDilutedというものがあります。

【4種の組み合わせ】

  • GAAP×Basic:基本EPS
  • GAAP×Diluted:希薄化EPS
  • non-GAAP×Basic:調整後基本EPS
  • non-GAAP×Diluted:調整後希薄化EPS
配当きぞくん

配当きぞくん

2×2で計4パターンの組み合わせがあるわけじゃな。

そこで今回は、EPSの種類ごとに何が違うのか?どんな意味があるのか?についてゼロから優しく解説します。この記事を最後まで読むと、EPSの細かな違いについてバッチリと理解できるようになっています。

この記事は、技術評論社から出ている著書の中身をブログ用に見やすく編集したものです。

出版社のご厚意で本の無料公開が実現しました。ぜひ最後までお読み下さい。

この記事を書いた人
ひろめ

複利のチカラで億り人

ひろめ

プロフィール

日本で初めて米国株における連続増配の定義を明確に説明した本の著者/「本当の意味で読者のためになる情報を届ける」がモットー/2016年4月から当ブログを運営⇒ プロフィールページ

GAAPとnon-GAAPの違い

米国企業の決算では、GAAPのほかにnon-GAAPのEPSが発表されることが多くあります。

GAAPとは「米国株会計基準」の略で、正式な会計基準に沿って計算された利益のことです。いわゆる決算で報告される正式な数値になります。

それに対してnon-GAAPは通常発生しない特殊な損益を除いた非公式の数値です。

EPSの種類

  • GAAP(米国会計基準):すべての損益を反映したEPS
  • non-GAAP(非米国会計基準):継続事業の利益を反映したEPS

ときに企業というのは税金や事業売却などの特殊事情によって一時的な損益が発生することがあります。GAAPでは、当然これら一時的損益もすべて含まれます。こうなると本業で稼いだ利益がどれだけなのか分からなくなってしまいます。

そこで登場するのがnon-GAAPです。non-GAAPの利益額によって算出されたEPSのことを調整後EPSと呼びます。adjusted EPSと表記されているのが、non-GAAPの調整後EPSです。

non-GAAPにより算出された調整後EPSは、本業で稼いだ利益を純粋に反映した数値です。毎回同じ条件で算出されるため、調整後EPSから算出したPERを見ることで、一貫性のある比較が行えます。

non-GAAPは毎回必ず発表されるわけではなく、何か特殊要因があるときにだけ発表されます。特殊要因がなければGAAP=継続事業の利益額となるので、PERの計算にはGAAP EPSをそのまま使います。

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BasicとDilutedの違い

Basic EPSとDiluted EPSは、計算で使われている発行済株式数に違いがあります。

EPSの種類

  • Basic EPS=年間利益/普通株の発行済株式数
  • Diluted EPS=年間利益/(普通株+潜在株式)の発行済株式数

Basic EPSは普通株の発行済株式数だけが考慮されているのに対して、Diluted EPSは普通株のほかに潜在株式も考慮されているEPSになります。

潜在株式というのは、将来普通株に変換することのできる転換社債やワラント債、ストックオプションなどのことです。

潜在株式とは
  • 転換社債:株式に転換できる権利が付いた社債
  • ワラント債:一定価格で株式を買える権利が付いた社債
  • ストックオプション:経営者や従業員が自社株を一定価格で購入できる権利

当然Diluted EPSのほうが本来の価値を表した数値になります。したがって、PERの計算にはDiluted EPSを優先して使います。

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EPSの優先順位

PERのバリュエーション判断に使うEPSの優先順位は、non-GAAP表記がなかったらGAAP、Diluted表記がなかったらBasicを利用します。

このような優先順位をつける理由は、同一条件で求めたPERでないと一貫性のある比較が行えなくなってしまうからです。

EPSの優先順位

  • non-GAAP(adjusted) ⇒ GAAP
  • Diluted ⇒ Basic

Form 8-Kに調整後希薄化EPSの表記があればそれを計算に使います。なければGAAP EPSをそのまま使うことになります。

もし、イレギュラーな損益だけが表記されているときは、GAAP EPSからイレギュラーな1株損益を差し引いてPERの計算に使います。

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EPSの種類まとめ

ここまでEPSには4つの組み合わせがあることを解説してきました。

  • GAAP EPS=すべての利益/普通株式数
  • Diluted GAAP EPS=すべての損益/(普通株式数+潜在株式数)
  • Adjusted EPS(non-GAAP)=継続事業の利益/普通株式数
  • Adjusted Diluted EPS(non-GAAP)=継続事業の利益/(普通株式数+潜在株式数)

本業以外でイレギュラーな損益が発生したときは、四半期決算の開示資料Form 8-KにイレギュラーなEPSもしくはAdjusted EPSを表記するのが一般的です。

BasicとDilutedも同様で、普通株のほかに潜在株式が存在する場合はForm 8-Kにそれぞれの発行済株式数が表記されます。

ですので、non-GAAPやDilutedの表記がForm 8-Kにないときは「non-GAAP=GAAP」、「Basic=Diluted」という状況であると考えるのが一般的です。

配当きぞくん

配当きぞくん

Form 8-Kの意味は、下の記事で解説しておるのじゃ。