
企業ごとに割安な株価の条件は異なります。たとえPERが25倍だったとしても、一概にすべての株が割高とは限らないのです。
このことは、技術評論社から出ている書著『バリュー投資家のための「米国株」データ分析』にも書きました。
できることなら、なるべく割安なときに買って含み損を抱えるリスクを下げたいですよね。
本記事では、
- 現在の株価は割安?
- 業績は安定してる?
- 自社株買いは期待できる?
こういった疑問に答えます。
グラフで長期データを示しているので、現在の株価が割安または割高なのか視覚的に理解しやすくなっています。
気になるとこまで読み飛ばす

配当きぞくん
バークシャー・ハサウェイは金融セクターじゃ。
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業績データ

ウォーレン・バフェット氏の投資会社バークシャー・ハサウェイは大きく分けて2つの事業から収益を稼いでいます。
- 投資活動による収益
- 買収により傘下に収めた企業群からの収益
PERとPSRは②のみの業績を反映した指標で、PBRは①と②両方の業績を含めた指標になります。
1株あたり利益(EPS)
上記は会計年度(1Q~4Q)の調整後希薄化EPSです。棒グラフにマウスカーソルをあてることでEPSデータが小数第2位まで表示されます。
上記は会計年度(1Q~4Q)の調整後希薄化EPSです。棒グラフをタップすることでEPSデータが小数第2位まで表示されます。
2018年度にEPSが大きく伸びているは税制改正により法人減税されたことがプラスに働いています。
- 営業利益:Operating earnings
- 発行済株式数:Number of shares of common stock outstanding
一貫性のある比較を行うために、投資損益を除外した営業利益を計算して調整後希薄化EPSにしています。
GAAP EPSと調整後EPSの違いについては、以下のリンク先で解説しています。
リンク 米国株に出てくるEPSの種類|GAAPとnon-GAAP/BasicとDilutedの違いを解説
次に出てくる「PERの長期推移」も上記と同じEPSデータを使って求めています。
PERの長期推移
上記は1日ごとの実績PERをグラフ化した動的チャートです。グラフにマウスカーソルをあてることで、そのときの日付とPERが見れるようになっています。
上記は1日ごとの実績PERをグラフ化した動的チャートです。グラフをタップすることで、そのときの日付とPERが見れるようになっています。
PERの計算に使った株価は終値を使用しています。また、計算に使うEPSデータの切り替えは決算発表日を基準に行っています。
Operating earnings=Net earnings – Investment and derivative gains (losses)
発行済株式数=(クラスA株×1,500)+クラスB株
※四半期終了時点データ
調整後希薄化EPS=直近四半期の営業利益 ÷ 直近四半期終了時の発行済株式数(クラスB株換算)
※決算発表日を基準にデータ切り替え
実績PER=1日の終値 ÷ 調整後希薄化EPS
バークシャー・ハサウェイの株価
直近1年のEPS
計算フォームに上記の株価と直近1年のEPSを入力すると、最新の実績PERが出てきます。
PER計算フォーム
PER推移グラフ
割安・割高の判断基準は四分位数を使っています。⇒ 四分位数を使ったバリュエーション判断
1株あたり売上高(SPS)
上記は会計年度(1Q~4Q)の1株あたり売上高です。棒グラフにマウスカーソルをあてるとSPSデータが小数第2位まで表示されます。
上記は会計年度(1Q~4Q)の1株あたり売上高です。棒グラフをタップするとSPSデータが小数第2位まで表示されます。
- 四半期売上高:Total revenues
- 発行済株式数:Number of shares of common stock outstanding
PSRの長期推移
上記は1日ごとの実績PSR(株価売上高倍率)をグラフ化した動的チャートです。グラフにマウスカーソルをあてることで、そのときの日付とPSRが見れるようになっています。
上記は1日ごとの実績PSR(株価売上高倍率)をグラフ化した動的チャートです。グラフをタップすることで、そのときの日付とPSRが見れるようになっています。
発行済株式数=(クラスA株×1,500)+クラスB株
※四半期終了時点データ
=直近4四半期の合計売上高 ÷ 直近四半期終了時の希薄化発行済株式数
※決算発表日を基準にデータ切り替え
=1日の終値 ÷ 直近1年の1株あたり売上高(SPS)
バークシャー・ハサウェイの株価
直近1年のSPS
計算フォームに上記の株価と直近1年のSPSを入力すると、最新の実績PSRが出てきます。
PSR計算フォーム
PSR推移グラフ
割安・割高の判断基準は四分位数を使っています。⇒ 四分位数を使ったバリュエーション判断
1株あたり純資産(BPS)
上記は会計年度末(4Q)の1株あたり純資産です。棒グラフにマウスカーソルをあてるとBPSデータが小数第2位まで表示されます。
上記は会計年度末(4Q)の1株あたり純資産です。棒グラフをタップするとBPSデータが小数第2位まで表示されます。
BPSは投資活動による未実現損益の変化を含めた数値になります。2018年度にほぼ横ばいになっているのはクラフトハインツの減損が響いています。
- 株主純資産:Berkshire Hathaway shareholders’ equity
- 発行済株式数:Number of shares of common stock outstanding
PBRの長期推移
上記は1日ごとの実績PBR(株価純資産倍率)をグラフ化した動的チャートです。グラフにマウスカーソルをあてることで、そのときの日付とPBRが見れるようになっています。
上記は1日ごとの実績PBR(株価純資産倍率)をグラフ化した動的チャートです。グラフをタップすることで、そのときの日付とPBRが見れるようになっています。
発行済株式数=(クラスA株×1,500)+クラスB株
※四半期終了時点データ
=直近四半期の株主純資産 ÷ 直近四半期終了時の希薄化発行済株式数
※決算発表日を基準にデータ切り替え
=1日の終値 ÷ 直近四半期のBPS
バークシャー・ハサウェイの株価
直近四半期のBPS
計算フォームに上記の株価と直近四半期のBPSを入力すると、最新の実績PBRが出てきます。
PBR計算フォーム
PBR推移グラフ
割安・割高の判断基準は四分位数を使っています。⇒ 四分位数を使ったバリュエーション判断
配当利回りは0%
バークシャー・ハサウェイは配当を出さない銘柄です。そのため、配当利回りは0%で株価上昇率がそのままトータルリターンになります。
発行済株式数

茶色の棒グラフが発行済株式数になります。各年の発行済株式数は、第4四半期平均の希薄化後発行済株式数を記載しています。
青の線グラフが対前年比の割合を示しています。パーセントの数字がマイナスだと自社株買いが優勢、プラスだと新規発行数が優勢の年だったことになります。
グラフにマウスカーソルをあてることで、該当年度の数値データが確認できます。
グラフをタップすることで、該当年度の数値データが確認できます。
- 発行済株式数:Number of shares of common stock outstanding
発行済株式数は四半期終了時点のもので、クラスA株をクラスB株換算してクラスB株と合計したものを使っています。
クラスA株×1,500=クラスB株換算したクラスA株の発行済株式数
発行済株式数=(クラスA株×1,500)+クラスB株
※四半期終了時点データ
自社株買いの期待ができる
2010年度以降の発行済株式数は長期的に横ばいで推移してきましたが、2019年度になって約1%の自社株買いを行っています。
昨今の株高で現金の再投資先が見つからないようで、今後も株価が適正であるうちは自社株買いを継続する意向をウォーレン・バフェット氏が示しています。
株価データ分析まとめ
このページで扱っているPERとPSRは投資活動の業績を除外した数値を使って計算した指標で、PBRは投資活動の未実現損益も反映された指標です。
バークシャー・ハサウェイは金融セクターですので、PBRが最も重視される指標になります。
一方でPBRは未実現損益も含んだ指標であるため、いわゆるバークシャー・ハサウェイ傘下の企業業績だけを反映したPERやPSRも考慮したうえで割安および割高の判断をすることも大切です。
米国株の銘柄分析