【UL分析】ユニリーバの業績、配当金、増配率【イギリスADR】

【UL】ユニリーバは配当の二重課税がないイギリスADR

ユニリーバは、イギリスとオランダに本社を置く生活必需品セクタ―のグローバル企業です。2か国に本社を構えているため、株式もイギリス(Ulvr)とオランダ(UNA)それぞれに上場しています。

 

ユニリーバは米国株式市場にも上場しています。イギリスとオランダのADR(米国預託証券)として株式をドル建てで購入することができます。

【ディッカーシンボルULとUNの違い】

・UL:イギリスADRのため配当金の現地課税なし

・UN:オランダADRのため配当金に15%の現地課税がかかる

 

ULはイギリスで上場しているUlvrのADRであるため、配当の現地課税がありません。対して、UNはオランダで上場しているUNAのADRであるため、配当金に15%の現地課税がかかってしまいます。

 

どちらを買っても株価の値動きは同じなので、米国市場で購入するときは配当の二重課税がないイギリスADRのULを購入することをオススメします。

詳細 配当金生活に米国株は向いてない?配当の二重課税問題は意外に深刻だった

 

新興国に強いユニリーバ

ユニリーバは、生活必需品セクターのグローバル企業です。新興国の売上高がグループ全体の50%以上を占めており、人口が増えていく地域でのシェア獲得に成功しています。

2016年アニュアルレポートによると、新興国における売上高はグループ全体の57%を占めています。グローバル企業とはいえ、ここまで新興国の売上が大きなウエイトを占める企業はめずらしいです。

ユニリーバは、人口ボーナスが期待できるインドやインドネシアなどの新興国地域でしっかりとシェアを獲得しています。そのため、市場の拡大とともに今後ますます新興国での売上が伸びていく見通しです。このことは私がユニリーバを購入して保有し続けている理由のひとつでもあります。

 

【UL】ユニリーバの部門別売上高の割合

ユニリーバの事業は、パーソナルケア部門、食品部門、ホームケア部門、軽食部門の4つに分かれています。売上高の割合が1番大きいパーソナルケア部門は、スキンケア製品やヘアケア製品、デオドラントケア製品、オーラルケア製品などが含まれます。LUX(ラックス)やDove(ダヴ)などは日本でもおなじみですね。

 

ホームケア部門は、石けんや洗剤などが対象です。ドメストジフなどは日本でも使っている人が多いのではないでしょうか。軽食部門は、アイスクリームやお菓子屋などが対象です。あの有名なリプトンもこの軽食部門に含まれています。

 

ユニリーバの1株利益(EPS)と配当性向、増配率

2007年から2016年の1株あたりの利益(EPS)と配当性向は以下のようになってます。なお、EPSおよび1株配当は、ユーロでの表記となっています。イギリスADRのユニリーバ(UL)では配当として支払われる通貨がUSドルに換算した金額になります。

1株利益(EPS)は全体として緩やかに伸びており、今後も安定成長が期待できます。そして、注目してもらいたいのが連続増配です。2009年以降、ユーロ建て配当金が8年連続で増配されています。配当の二重課税がないADRとしては数少ない連続増配銘柄です。

 

1株利益(EPS)は横ばいで推移しています。きれいな右肩上がりとはいきませんが、徐々に増えている傾向は見てとれます。

直近7年の平均増配率が8.1%と高めです。ドル建てですと為替レートによって増配にならない年もありますが、ユーロ建てで毎年増配が意識されているということは減配リスクが低いことを意味します。

EPS1株配当配当性向増配率
2007年1.310.75057% 
2008年1.730.77045% 2.7% 
2009年1.170.46540% -39.6% 
2010年1.460.83257% 78.9% 
2011年1.420.90063% 8.2% 
2012年1.500.97265% 8.0% 
2013年1.661.07665% 10.7% 
2014年1.791.14064% 5.9% 
2015年1.721.20870% 6.0% 
2016年1.821.280470% 12.0% 

 

配当性向は60%~70%で推移しています。1株利益も伸びているので、この水準であれば持続可能な増配が期待できます。

 

リーマンショックでも売上高は落ちていません。さすが生活必需品セクターです。景気が悪いときでも売上高が減少しないというのは心強いですね。

 

・ポンド建て配当金と増配率データ

上記のユーロ建てデータはオランダで上場しているユニリーバ(NUA)のものです。一方、イギリスで上場しているユニリーバ(Ulvr)の配当はポンド建てです。せっかくなので、ポンド建てデータも載せておきます。

ユーロ建ての増配が基準となっているため、ポンド建てだと連続増配ではありません。為替レートの影響を受けて増配されない年があるのはADRと同じ理屈です。

 

1株配当増配率
2008年60.7418.8%
2009年41.26-32.1%
2010年71.2472.7%
2011年77.618.9%
2012年78.891.6%
2013年91.0515.4%
2014年90.02-0.9%
2015年88.49-1.9%
2016年109.0323.2%

 

S&Pの長期格付けは、A+(上から5番目)と高い水準を維持しています。財務的にも問題ありません。

格付け会社格付け
S&PA+(上から5番目)

 

ユニリーバの営業利益率

2007年から2016年の営業利益率は以下の通りです。

ここ10年の平均は14.6%でした。高い利益率を確保できています。ユニリーバはヨーロッパに本社を構えるグローバル企業ですが、米国株に負けずとも劣らない経営効率が実現できています。

 

ユニリーバ(UL)株価チャートの分析

以下は、2007年1月~2017年9月までの10年チャートです。

チャートには、株価38ドルと48ドルに青い点線を入れています。2012年11月から2016年2月にかけて、3年4ヶ月このレンジで株価が動いていました。

 

チャートを見てもらうと分かる通り、38ドルのサポートラインがかなり強力でした。過去4年で少なくとも9回以上反発していて、かなり意識されていたことがうかがえます。非常に分かりやすい買いタイミングでしたが、株価は大きく上がってしまいました。そのため、38ドルよりひとつ上の48ドル~50ドルあたりが現時点の買いタイミングになってます。

 

ただし、業績がよければ株価が下がらずにスルスルと上がってしまうことも考えられます。そのため、48ドル付近まで落ちてくるのを待つことが必ずしも正解とは言えません。株価が短期間で上昇しており、買いタイミングの判断が難しい状況だと思います。

 

株価56ドル
 EPS(TTM)2.44ドル 
PER(TTM)22.95倍 
配当支払い月3月/6月/9月/12月
連続増配年数8年
増配発表月毎年4月

※TTMとは直近1年の四半期決算データをもとに算出した数値のことです。今回の場合ですと、2016年第2四半期~2017年第3四半期の決算データが該当します。

 

ウォーレン・バフェットが注目したユニリーバの企業価値

2017年2月に株価が急騰したのには理由があります。それは、食品大手クラフト・ハインツがユニリーバに対して、買収させてほしいという話を持ちかけていたのです。

 

クラフト・ハインツの筆頭株主は、ウォーレン・バフェットの投資会社バークシャー・ハサウェイになります。つまり、この買収提案は間接的にウォーレン・バフェットがユニリーバを欲しがったということを意味します。

買収はユニリーバが拒否したため実現しませんでしたが、これにより株価が一気に上昇しました。バフェットが買収したいと思ったユニリーバは、競合他社が簡単に真似ることのできないワイドモート(幅広い堀)を持った素晴らしい企業という評価がついて、株価にプレミアムがついた格好とも言えます。

 

ユニリーバ銘柄の分析まとめ

新興国に強い生活必需品セクターのユニリーバは、今後も安定した業績の拡大が見込まれるため、2016年11月にひろめは購入しました。このときはちょうど分かりやすいサポートラインまで株価が落ちていたので買いやすかったです。

詳細 【UL】ユニリーバ100株@38.90ドルで新規購入

 

配当の二重課税がないADRにしてはめずらしい連続増配銘柄でもあるので、NISA口座で配当を受け取って再投資するのにも適しています。

 

ハイテク株のような派手さはありませんが、安定して少しづつ業績が拡大していくディフェンシブな銘柄です。長期投資にぴったりな投資先だと私は考えています。

 

関連記事です。ユニリーバと同じイギリスADRといえば、ナショナルグリッド(NGG)があります。ポンド建て配当の連続増配銘柄です。

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グラクソスミスクライン(GSK)もイギリスADRです。高配当なグローバル医薬品銘柄になります。

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オーストラリアのウエストパック銀行も配当の二重課税がない高配当ADRです。グローバルに展開する世界的な銀行です。

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