【BTI】ブリティッシュアメリカンタバコは配当の二重課税がない連続増配銘柄

イギリスADRでは数少ない連続増配銘柄

ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)はイギリスのロンドンに本社を構える英国タバコ企業です。ロンドン証券取引所に上場しており、ポンド建てで1999年から19年連続の増配を継続しています。

 

ニューヨーク証券取引所にも上場しており、イギリスADRとして米国株口座でドル建て購入することができます。米国株の配当金には現地課税10%が課税されるのですが、イギリスADRは現地課税されることがありません。そのため、配当金から源泉徴収される税金は日本で課税される20.315%だけになります。

 

米国株の場合、二重課税された配当の税金は確定申告すると所得税の控除によって取り戻すことができます。しかし、所得税を支払うことがない主婦の方やアーリーリタイアして配当金生活をしている方は法人名義で株式を保有しない限り、二重課税された税金を取り戻すことができません。

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しかし、イギリスADRなら所得税を払っていなくても二重課税されることがないため、余計な税金を取られることがありません。もちろん、現行NISAの枠内で購入すれば配当金および株の値上がり益にかかる税金はゼロになります。

 

【BTI】ブリティッシュアメリカンタバコの配当金、増配率データ

以下のグラフは、ブリティッシュアメリカンタバコの配当金推移と増配率のデータです。会計年度ではなく1月~12月までに支払われた配当金を集計してグラフ化しています。特別配当は1999年に一度だけ出ています。

1999年からポンド建て配当金が毎年増え続けています。下のグラフを見てもらうと分かるとおり増配率にはバラツキがあります。これは業績に連動して増配率が決定しているためです。

英ポンド配当増配率
1997年29.5
1998年24.0-18.6%
1999年24.31.3%
2000年26.910.7%
2001年29.710.4%
2002年33.011.1%
2003年36.310.0%
2004年39.79.4%
2005年43.28.8%
2006年48.712.7%
2007年58.820.7%
2008年69.718.5%
2009年89.528.4%
2010年104.817.1%
2011年119.113.6%
2012年130.69.7%
2013年137.75.4%
2014年144.95.2%
2015年150.03.5%
2016年155.93.9%
2017年174.612.0%

 

【BTI】ブリティッシュアメリカンの1株利益(EPS)と配当性向

2007年~2016年のEPS(1株あたりの利益)と配当性向は、以下のようになっています。単位はイギリスポンドでの表記です。

1株あたりの利益(EPS)は2014年~2015年に少し停滞しているものの、2016年に再び上昇しています。オレンジ色の1株配当も毎年着実に増え続けており、今後も長期で安定した増配が期待できる状況です。

年度EPS1株配当配当性向
2007年108.53 66.261%
2008年128.78 83.765%
2009年153.00 99.565%
2010年175.70 114.265%
2011年194.60 126.565%
2012年207.50 134.965%
2013年216.60 142.466%
2014年208.10 148.171%
2015年208.40 154.074%
2016年247.50 169.468%

 

配当性向は65%前後で推移しており、増配余力が十分残されています。タバコ大手のフィリップモリス(PM)アルトリアグループ(MO)は配当性向がもっと高いので、ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)の方が余裕をもって配当を出しているということになります。

 

2014年と2015年は配当性向が少し高くなっています。これは1株利益(EPS)が伸びなかったことが原因です。2016年にはEPSが再び上昇したので配当性向も元に戻っています。全体的に見てこれだけ安定感があれば全く問題ありません。

 

【BTI】ブリティッシュアメリカンタバコの地域別売上高と売上高推移

売上高は世界全体にバランスよく分散されています。特定の国や地域に依存していないのはリスク分散の観点から見て非常にいいことです。グローバル企業のお手本のような印象を受けますね。

 

タバコの売上数量は世界全体で見ると減少傾向が続いています。売上数量の減少をカバーするために定期的な値上げを実施することで売上高を維持しています。

 

glo(グロー)の売上が今後のカギを握る

火を使わない加圧式たばこglo(グロー)が2017年10月から日本全国で発売されています。

利益率は従来の紙巻タバコより高いです。そのため、glo(グロー)の売上をどこまで伸ばせるのかに市場関係者の注目が集まっています。

 

今後、glo(グロー)が世界展開していくなかで、競合他社のiQOS(アイコス)やプルームテックを抑えてシェアをどこまで伸ばせるかに運命がかかっています。タバコ銘柄を保有するのであればブリティッシュアメリカンタバコに限らず、新しい電子タバコの売上状況を決算ごとに確認しておくことが大切だと思いますね。

 

【BTI】ブリティッシュアメリカンタバコの営業利益率

2007年から2016年の営業利益率は以下のように推移しています。

この10年の平均営業利益率は、31.8%と非常に高いです。従来の紙巻タバコよりglo(グロー)の方が利益率が高いため、今後はさらに営業利益率が上昇することも考えられます。

 

【BTI】ブリティッシュアメリカンタバコのフリーキャッシュフロー

2007年から2016年のフリーキャッシュフローは以下のようになっています。通貨の単位はポンドです。

タバコ銘柄は設備投資にかかる費用がほとんどないため、毎年安定したフリーキャッシュフローを生み出すことができます。これらを使って自社株買いや配当などの株主還元を積極的に実施できることがタバコ株の強みですね。

 

【BTI】ブリティッシュアメリカンタバコの発行済株式数と自社株買い

2008年~2016年の発行済株式数と自社株買いの割合は以下の通りです。

2012年~2014年の3年間は、積極的な自社株買いで発行済株式数が4%以上減っています。一方、ほかの年に目を向けると自社株買いがほとんど行われていないことも分かります。この10年データを見る限り、自社株買いはあくまでもサブ的な扱いで、株主還元のメインは配当の連続増配であると感じました。

 

【BTI】ブリティッシュアメリカンタバコの株価チャート分析

2007年1月~2017年12月までの長期チャートです。

株価50ドルと60ドルに水色の点線を入れています。2012年~2016年の株価の動きを見てもらうと分かる通り、約50ドル~60ドルのレンジ状態が4年以上も続いていました。そのため、この2つの点線は非常に買いが入りやすい株価になります。

 

特に株価60ドルは非常に分かりやすいサポートラインになっていて、ちょっとやそっとのことではここを割って下がることはないように感じます。したがって、株価が下がってくるのを待つ場合には株価60ドルの少し上あたりがひとつの買いタイミングになると思います。

株価60ドル
 EPS(予想)3.32ドル 
PER(予想)18.07倍 
配当支払い月2月/5月/8月/11月
連続増配年数19年(ポンド建て)

もちろん株価50ドルも非常に強いサポートラインではありますが、ここまで落ちることはよっぽどのことがないと考えにくいです。そのため、万が一のときに買い向かうタイミングくらいの認識でよろしいかと思います。

 

【BTI】ブリティッシュアメリカンタバコの銘柄分析まとめ

ブリティッシュアメリカンタバコは、イギリスADRでは数少ない連続増配銘柄です。配当の現地課税が0%であるため、NISA口座で保有すれば非課税で配当をまるごと受け取れます。したがって、配当再投資戦略を採用する長期投資家にも適しています。

 

世界の喫煙者が従来の紙巻タバコから新しい電子タバコに移行することは確定的です。この電子タバコへと移行する時期にどれだけシェアを取れるかがポイントになってきます。世界全体のタバコ消費量が年々減少しているなかで今後も業績を伸ばしていくために、紙巻タバコの値上げとグロー(glo)の売上を成長させ続けることが必須条件と言っていいでしょう。

 

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