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バフェットvs配当貴族指数!リターンが高いのはどっち?

バフェットvs配当貴族指数

バークシャー・ハサウェイと配当貴族指数は、長期的に米国株の市場平均(S&P500)を上回るリターンを上げてきた投資先として有名です。

これら2つのすごいところは、インデックス投資と同じように投資を継続しているだけで誰でも市場平均株価に勝ててしまうところです。継続さえできれば、ほとんどの人がマネできる再現性の高い投資法となっています。

バークシャー・ハサウェイと配当貴族指数は、どちらも長期的にインデックスを上回ってきたのですが、どちらがより高いリターンだったのかはあまり知られていません。

そこで今回は、過去のリターンを比較することで、どちらに投資した方がよりいいのかについて考察していきます。

この記事を書いた人
ひろめ

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ひろめ

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バークシャー・ハサウェイとは?

バークシャー・ハサウェイは、ウォーレン・バフェットが経営する投資会社です。普通の株と少し違うところは、クラスA株(BRK.A)とクラスB株(BRK.B)の2種類がある点です。

A株は1株20万ドル(2千万円)以上するため、少額から買えるようにB株が設定されています。A株もB株も1株あたりの金額が違うだけで基本的に値動きは一緒です。

バークシャー・ハサウェイの傘下には、数多くの企業が名を連ねており、どれも他社がマネできない参入障壁が高い消費独占型のビジネスモデルを持つ企業ばかりが揃っています。

銘柄分散という意味においては傘下の子会社が63社以上にものぼり、それ以外に上場企業の株式も保有してますので、一般的なインデックス指数と同等以上の効果があると言えます。

したがって、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)に投資することは、ウォーレン・バフェットがファンドマネージャーを勤める投資信託を保有することと同じ意味を持ちます。

しかも、信託報酬のという名の手数料はかかりません。円からドルへの為替手数料&米国株の売買手数料を1度払うだけです。

ちなみにバークシャーは配当金を一切出さない銘柄です。配当金を再投資する場合、20%の税金が引かれた配当で株を買うことになりますが、バフェットはこの配当にかかる税金がもったいないと考えています。

そのため、配当を出さない代わりに他の方法で配当再投資と同じかそれ以上のリターンを株主に還元しています。投資家が何もしなくても自動で配当再投資してくれる銘柄と思ってもらえればいいと思います。

配当きぞくん

配当きぞくん

配当の二重課税がないのも強みじゃな。

S&P500指数との比較

バークシャー・ハサウェイは、米国の市場平均株価(S&P500指数)を長期的に上回ってきた実績があります。

次のグラフは、S&P500指数のプライスリターン(配当再投資なし)とバークシャーハサウェイ(クラスB株)の株価上昇率を比較したものです。

バフェットvsS&P500
2008/1/2~2024/1/2

上記のリターン比較について、詳しくは「バークシャー・ハサウェイ(BRK.B) vs S&P500指数!直近16年リターンを独自集計してみた」で解説しています。

優秀な後継者が控えている

「バフェットは高齢だけど、バークシャーに長期投資しても大丈夫なの?」と思う人もいるかも知れません。バフェットの生年月日は1930年8月30日です。2023年8月30日の誕生日で93歳になりました。

確かに高齢であることは間違いありません。しかしバークシャーにはバフェットの意思を受け継ぐ優秀な後継者がいます。

その後継者とは、グレッグ・アベル副会長です。

バフェットが引退することになった場合、グレッグ・アベル副会長がバークシャー・ハサウェイCEOになると正式に発表されました。

おそらく自身が高齢であることを意識して、バフェットがいなくてもバークシャーがこれまで通り成長していけるよう、かなり前から入念に準備してきたのだと思います。

そして既にバフェットがいなくても、これまでと同じように成長できる強固な仕組みがバークシャーには構築されているのでしょう。

ですからスティーブジョブズ亡き後のアップル(APPL)と同じく、10年経っても20年経っても素晴らしいリターンが期待できることに変わりありません。

配当貴族指数の種類

配当貴族とは、25年以上連続で1株あたりの配当金を増やし続けている銘柄のことを言います。

これらに該当する60銘柄ほどのリターンを平均化したものが配当貴族指数と呼ばれています。

スタンダート&プアーズ社(S&P)が提供している配当貴族指数には次の3種類があります。

ティッカー指数値
タイプ
配当
再投資
配当
税金考慮
SPDAUDPプライスリターンなし
SPDAUDTトータルリターンありなし
SPDAUDNネットトータルリターンありあり
ティッカー指数値
タイプ
配当
再投資
配当
税金考慮
SPDAUDPプライス
リターン
なし
SPDAUDTトータル
リターン
ありなし
SPDAUDNネット
トータルリターン
ありあり

プライスリターン(PR)は受け取った配当金を再投資しなかったときのリターンになります。受け取った配当金はリターンとして含まれず、配当再投資もしないため、上記3つのうちで最も低いリターンになります。

トータルリターン(TR)は受け取った配当金を再投資したときのリターンになりますが、配当金にかかる税金が差し引かれていません。そのため、上記3つのうちで最も高いリターンになります。実態に即して考えると、現実より高めのリターンと言えます。

ネットトータルリターン(Net TR)は受け取った配当金を再投資したときのリターンです。再投資する配当金は税金が差し引かれた後の金額になるため、上記3つのうちで最も現実的なリターンであると言えます。バークシャー・ハサウェイ(BRK.A)との比較では、このネットトータルリターン(Net TR)を使っていきます。

MEMO
これら3つは配当貴族指数として計測されているだけで、ETFとして売買されているものではありません。

配当貴族指数のETFに唯一NOBLがあります。ただ、NOBLを購入できるのはサクソバンク証券だけで国内証券会社で取り扱いがありません。

配当貴族指数とS&P500指数のリターン

配当貴族指数は、市場平均(S&P500指数)を長期的に上回ってきた実績があります。

以下のグラフはS&P500指数のプライスリターン(配当再投資なし)と配当貴族指数のリターンを比較したもです。

配当貴族指数 vs S&P500指数
2008/1/2~2024/1/2

配当貴族指数のリターンについては「【米国株】配当貴族指数とは?銘柄リスト一覧と過去16年リターンを解説」で詳しく比較しています。

配当きぞくん

配当きぞくん

具体的な数値を知りたい人は、リンク先の記事を見てくれなのじゃ。

長期リターン比較

バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)と配当貴族指数(SPDAUDN:ネットトータルリターン)を比較していきます。

配当貴族指数のネットトータルリターン(Net TR)は、源泉税を控除した後の配当を再投資した場合のリターンとなります。

適用される税率については、二重課税防止条約の便益を受けない非居住機関に対する税率とメソドロジーに書かれています。

このSPDAUDNは投資信託ではなく単なる指数ですので、信託報酬(手数料)が一切差し引かれていないリターンとなります。日経平均株価やNYダウ、S&P500と同じ仲間だと言うと分かりやすいでしょうか。

配当貴族指数は暴落が起きた後の株価回復局面で市場平均株価(S&P500)とリターンの差を広げる傾向があります。

バフェットvs配当貴族指数
2008/1/2~2024/1/2

2008年1月2日を100%換算して、2024年1月2日までのトータルリターンをグラフ化しました。最終的なリターンは次のようになっています。

バークシャー(BRK.B)配当貴族指数(Net TR)
約3.94倍約4.90倍
年利8.94%年利10.44%
配当きぞくん

配当きぞくん

配当貴族指数の圧勝なのじゃ。

暴落を含まない期間の比較

今度はリーマンショックを含まない期間(2010年1月4日~2024年1月2日)で比較します。

暴落を含まない期間
2010/1/4~2024/1/3

2010年1月4日を100%換算し、14年後の2024年1月3日までのリターンをグラフ化しています。最終的なリターンは次のようになっています。

バークシャー(BRK.B)配当貴族指数(Net TR)
約5.47倍約4.91倍
年利12.91%年利12.04%
配当きぞくん

配当きぞくん

2010年以降はバークシャーが勝っておるのじゃ。

暴落に強かったのは?

リーマンショックでの最大下落率(最高値から最安値)を比べて、どちらが暴落に強いのかを検証していきます。

バフェットvs配当貴族指数(最大下落率)
2007/4/2~2010/4/1
- バークシャー(BRK.B)配当貴族指数(Net TR)
下落率最大54.3%最大49.6%
期間1年3か月1年10か月
配当きぞくん

配当きぞくん

どちらも似たり寄ったりじゃな。

これは過去の一例に過ぎないので、次の暴落でも必ず同じ結果になるとは限りません。

参考程度に見てもらえたらいいと思います。

バークシャー・ハサウェイが割安なときの見分け方

バークシャー・ハサウェイの株価には、割安だと判断できる明確な基準が存在します。その基準は「PBR(株価純資産倍率)が1.2倍以下のとき」です。

バークシャーハサウェイの自社株買いについて、バフェットがPBR1.2倍以下のときに実行すると明言しているところから来ています。

では、PBRが1.2倍になるのを待って、それまで一切株を買わなければいいのでしょうか?

配当きぞくん

配当きぞくん

答えはNOじゃ。

バークシャーのような右肩上がりに成長し続けている企業に投資する場合、株を保有する期間が長ければ長いほど株価が上がる可能性が高まります。

今日1日をとって考えても、昨日より今日、今日より明日とバークシャーは成長し続けています。そのため、いつまでも買わないというのは逆に機会損失になってしまいます。

決算期BPS前年比PBR
2007年4Q$52.001.82倍
2008年4Q$47.02-9.58%1.36倍
2009年4Q$56.32+19.79%1.21倍
2010年4Q$63.64+12.98%1.32倍
2011年4Q$66.57+4.62%1.18倍
2012年4Q$76.14+14.37%1.20倍
2013年4Q$89.98+18.18%1.40倍
2014年4Q$97.46+8.31%1.56倍
2015年4Q$103.67+6.37%1.31倍
2016年4Q$114.74+10.68%1.49倍
2017年4Q$141.17+23.03%1.59倍
2018年4Q$141.67+0.36%1.34倍
2019年4Q$174.34+23.06%1.38倍
2020年4Q$192.91+10.65%1.20倍
2021年4Q$228.61+18.51%1.31倍
2022年4Q$215.95-5.54%1.43倍
2023年4Q$259.76+20.29%1.37倍

※PBR:年末の株価をもとに計算

詳しくはリンク先のページでBPSとPBRの長期データをグラフで確認できます。

Check 【BRK.B】バークシャー・ハサウェイ銘柄分析:株価指標(PER・PSR・PBR)から導いた割安な株価の条件

投資リターン向上のヒント

残念ながら今回のような過去のリターン比較をしても、未来のリターンが高い方に投資できる確率は上がりません。

投資リターンの最大化には、他にもっと重要なポイントがあります。

【重要ポイント】

  • 優良株に投資する
  • 定期的なリバランス
  • 運用期間と投資資金の最大化

優良株に投資する

配当貴族指数とバークシャー・ハサウェイはどちらも優良株なので、長期的なリターンはそれほど大きな差になりません。

どこに投資するにしても、結局は優良株を外しさえしなければいいわけです。

「でも何が優良株なのか分からない」という方も多いと思うので、リンク先で詳しく解説しました。

Check 【優良株の探し方】普通の人でも優良銘柄が見分けられるシンプル法則

定期的なリバランス

何に投資するかより適切なポートフォリオ管理の方がリターンに大きく影響します。

ポートフォリオ管理とは「リスク資産と無リスク資産の割合、分散投資、定期的なリバランス」などのことです。

詳しくは、こちらのページを参照してください。

Check 【ポートフォリオの作り方】正しい運用ルールが安定したリターンをもたらす

運用期間と投資資金の最大化

運用期間と投資資金は最終的な運用リターンを決める最重要ポイントです。

こちらのページには、運用期間と投資資金を最大化できる投資先の選び方が書かれています。

Check 個別株とETFどっちがいい?S&P500インデックスを避けて割安高配当株に投資する理由

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