ひろめ
市場リスクが高まると、決まって「円高」になる傾向があります。これは日本の経常収支が35年以上もの期間プラスを維持してきた実績があるためです。
しかしながら、遅くとも2030年までに「リスク回避の円高」は終了することになると私は考えています。極端なことを言うと「1ドル=100円」が二度と来ない可能性だってゼロではないと思っています。
そこで今回、リスク回避の円高が終了すると考える理由について解説します。
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日本の個人資産が政府の借金を上回る
現在は「日本の個人」の資産が政府の負債を上回っています。日本国債を所有しているのは、ほとんどが「日本人の個人」です。
2016年:「日本人の個人資産」 > 「政府の借金」
しかし、「日本の個人資産」は人口減などにより毎年減少しています。一方で「政府の借金」は国債の返済などにより毎年増え続けています。いずれ「日本人の個人資産」より「政府の借金」が大きくなってしまうのです。
2030年(見込み):「日本の個人資産」<「政府の借金」
「政府の借金」が「日本の個人資産」を上回る状態が実現すると、市場に関係なく円安に動くとみられています。もちろん「リスク回避」として円が買われることもなくなります。
今すぐ急激な円安へと動くわけではないですが長期的に見て円安リスクがありますから、早めに外貨建て資産を持って円安を意識した投資戦略を考えることが大切です。
短期的にはリスクオフの円高は続く
一方で、短期的にはまだまだ株価下落局面での円高傾向は続きます。そのため、暴落するまであせらず円で貯金しておき、いざ株を買うときに為替振替を実行するのも一つの選択だと思います。
ドルで持っていてもインフレで価値が目減りしていくので、外貨預金はオススメできません。現金は何も生み出さないため、外貨で長期保有するのではなく、米国債や株式を買った方が無難です。
私はというと特定口座で購入する分は「リスク回避の円高」を期待して円で多めに持っています。ただし、「1ドル=100円」を割り込む極端な円高局面では、一定金額ごとに95円、90円、85円、80円とナンピンするつもりでいます。